【人間と文化】西洋芸術の歴史と理論
今回の受講した『西洋芸術の歴史と理論』は、タイトルが「西洋美術の歴史」じゃないところがポイント。
作品の背景にある哲学をベースに、古代から現代まで各時代の美術作品を解説する。通史を追いながら、
「芸術」とは何か。
を考える。壮大なテーマなようだけど、担当の青山昌文先生の答えは簡潔(多分)。
「物事の本質をミーメーシス(模倣、再現)したもの」
どの時代の作品も、一貫してこの答えに帰結させているのは見事でした。わかり易過ぎるよ。自己の内面、オリジナルを表現することが芸術、鑑賞する側も自由に受け取れば良いとする近代以降の芸術論を最初から疑い、現代芸術まで論じた上でバッサリ否定。作品を前に、早口で愛情たっぷり、半ば興奮気味に作品を語る先生の御説には納得させられました。全部プラトンとアリストテレスで語れる先生、スゴイ。そんなもん? 若干疑ってはいるのだけど、他に知識もなく、どこを掘ればいいのか、それは追々考えるとして。学生時代、美学、わかんないわぁと思いながら受けた授業(美学概論の成績は可だったよ!)、今ならもっとよく理解できたかもなぁ。
今期、一番楽しく熱心に視聴した講義でした。
(写真は、アリストテレスの詩学といえばウンベルト・エーコの『薔薇の名前』、今なら面白さが増すかも、と思って引っ張り出して来たところ)
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