記録と日常

学びと活動とつぶやきと。

あなたが明治政府の役人だったら?

 

中学生の息子の社会科のレポート課題。

お題は

 

「明治政府は欧米に負けない国づくりを目指して富国強兵の政策を行いました。富国強兵のもとで行われた政策以外で、あなたが明治政府の役人として今後日本を発展させるためにどのような政策を行うか考えてみましょう」

 

歴史が苦手な息子にはかなり難しい課題です、しかもこのコロナウィルス騒動で休校期間中の課題なのでやっても評価対象にならない・・・やる気ゼロ。でも一応出したほうがいいでしょ、ってことでレポートネタを提供するために、考えてみました。

 

私自身は歴史大好き、大河ドラマは欠かさずみてるのですが、そもそも「富国強兵とはなんぞや」と問われても細かいポイントがあやふやで記述できないので教科書と歴史資料集で確認。

 

富国強兵 四大政策

  • 殖産興業
  • 徴兵令
  • 地租改正
  • 学制

あらためて見てみると、実に効率的に欧米に見習え、追いつけ追い越せイケイケドンドンで改革を進めたのだなぁと感心します。不平等条約を欧米と対等に付き合える平等条約へ、が目標。そのために岩倉使節団を派遣して欧米の文化・法制度を学ぶ。国内に残った政府メンバーは国内整備。廃藩置県で、封建的統治から、中央集権的統治へ。政府から役人を各地へ派遣して全国に政府の指示が行きわたる。地租改正で、農地売買を認めやがて地主は資本家として力をつける。解放令によって、建前、身分制度はなくなり士族の地位は下落。徴兵令により、西洋式の軍隊が整備され、士族の反乱がおきても制圧される(士族の乱は西南戦争が最後)。文明開化、全国5か所の港が開かれ、海外の文化流入鹿鳴館西洋文化を消化吸収して見せる外交の場。西洋から来たお雇い外国人(学者・技術者)の指導で殖産興業。製糸技術の発展、炭鉱の開発、鉄道の開通、産業革命。人と物の流通が加速的に増える。そうこうしてるうちに、郵便制度や大学の前身となる高等教育の学校が設立される。その前に、学制が敷かれたことが大きい。実態はどうであれ男女の区別なく6歳以上の国民には教育を受けさせる義務が生じています。江戸時代より寺子屋があって読み書きそろばんレベルができる人は多かったと思われますが、義務化したことで、国民の知的レベルを上げていこう、国力に繋げていこう、日本人は決してバカな猿ではないということを欧米人に示していきたいという政府の意気込みが感じられます。

 

こうして列記していくと、明治維新を成し遂げた薩長土肥の面々のパワーに圧倒されてこれ以上日本の発展に寄与するような政策が何かあるだろうか、完璧じゃんと思ったりもして、何かいたらいいんだろう・・・悩みますね。まぁ、実際には行われてない架空のことなので、文献調べたりとか裏取りとか、なくてもいいや、ということで、私の仮説。

 

アジア諸国を味方につける、支配的でない友好政策をとり、共に欧米諸国に対抗する

 

というのはどうかと・・・思いました。夢物語的希望的お人よし政策ですねw

この時期、日本は欧米とは不平等条約をいかにして対等な条約に改正できるかに腐心しているわけですが、対アジア諸国に対しては、逆に征韓論とか言って、武力で開国をせまったり、日朝修好条規という不平等条約を結んでいます。琉球の帰属をめぐっても清と対立。というよりそもそも琉球は独立した王国だったじゃん・・・と日本の周辺地域とは領土拡大の観点から対立、進出侵略に繋がっていきます。

 

これまで述べてきたように日本の文明開化・殖産興業・産業革命は短期間に達成され目覚ましいものがありました。政府の頑張りがあり不平等条約に苦しめられながらも植民地化をまぬがれました。歴史では、その力をもってアジア諸国へ進出していく、支配影響力を及ぼし、アジア地域に触手を伸ばす欧米をもはねのけようとする流れです。アジア諸国に進出する際、欧米のように不平等な条約で支配をしたのでは、当該国内に反発があります。確かに国力・武力をちらつかせられれば、屈服するほかありません。しかし、近代化の力を提供し、政治的経済的に発展して協力関係を築けば、互いに銃を突きつけることはなく、欧米に共に対抗できる関係を作るほうがもっと世界で優位な立場を勝ち得るのではないかと考えました。それにこういう政策を取っていたら、先々の戦争とかもっと状況違ったんじゃないかなぁという希望も含んでの仮説です。

 

課題を読み違えてますかねぇ・・・そこがちょいと不安。息子からはOK出るかねぇ。